밤 11시 59분에만 열리는 행복 자판기
「夜11時59分にだけ現れる、幸せの自販機」
“밤 11시 59분에만 열리는, 행복 자판기 이야기”
街には、不思議な噂がひとつありました。
도시에는 이상한 소문이 하나 있었어요~
雨が静かに降る日、
비가 아주 조용히 오는 날,
一日の終わりまであと1分――
하루가 끝나기 1분 전
夜11時59分にだけ現れる自販機があるそうです。
밤 11시 59분에만 나타나는 자판기가 있대요~
その自販機は、飲み物を売っていません。
그 자판기는 음료수를 팔지 않고요~
お菓子も売っていません。
과자도 팔지 않고요~
もちろん、宝くじやお守りみたいなものでもありません。
그렇다고 복권이나 보물지도 같은 것도 아니에요~
その自販機が売っているものは、たったひとつ。
그 자판기가 파는 건 딱 하나였어요~
「明日の小さな幸せ」
“내일의 작은 행복”
です。
이에요~
変ですよね?
아하~ 이상하죠~?
「幸せって、自販機で買えるの?
“행복을 어떻게 자판기에서 뽑아요~?
」
”
そう思う人もいるでしょう。
하고 생각할 수도 있는데요~
でも、その噂を聞いた人たちは、みんなこう言いました。
그 소문을 들은 사람들은 다들 이렇게 말했대요~
「本当に大したことじゃないのに、不思議と一日が少し良くなった。
“정말 별거 아닌데, 이상하게 하루가 조금 좋아졌어.
」
”
「大きな幸運じゃないけど、息がしやすくなった。
“큰 행운은 아니었지만, 숨을 쉬기 편해졌어.
」
”
「誰かにそっと背中を押された気がした。
“누가 등을 살짝 밀어준 것 같았어.
」
”
そんなふうに。
그런 식으로요~
でも、もっと不思議なことがありました。
근데 더 이상한 건요~
その自販機は、誰にでも見えるわけではなかったのです。
그 자판기는 아무나 볼 수 있는 게 아니었어요~
道に迷った人。
길을 잃은 사람.
心が複雑すぎて、足取りが重くなった人。
마음이 너무 복잡해서 발걸음이 느려진 사람.
笑いたいのに、笑い方を少し忘れてしまった人。
웃고 싶은데 웃는 방법을 잠깐 잊어버린 사람.
そして――
그리고
「幸せになりたい」という言葉を、長いあいだ胸の奥に閉じ込めていた人。
“행복해지고 싶다”는 말을 너무 오래 참은 사람.
そんな人たちの前にだけ、
그런 사람들 앞에만,
雨の路地裏で静かに光ったのです。
비 오는 골목 끝에서 조용히 반짝였대요~
自販機の色は、淡いレモン色。
자판기 색깔은 옅은 레몬색이고요~
ボタンは、ちょうど7つ。
버튼은 딱 일곱 개였어요~
1番ボタン:あたたかい言葉ひとつ
1번 버튼: 따뜻한 말 한마디
2番ボタン:偶然流れてくる好きな曲
2번 버튼: 우연히 들리는 좋아하는 노래
3番ボタン:忘れていた約束の記憶
3번 버튼: 잊고 있던 약속의 기억
4番ボタン:本当においしいひと口
4번 버튼: 정말 맛있는 한입
5番ボタン:ぴったりのタイミング
5번 버튼: 꼭 맞는 타이밍
6番ボタン:誰かの笑顔
6번 버튼: 누군가의 미소
7番ボタン:まだ名前のない幸せ
7번 버튼: 아직 이름 없는 행복
値段は全部同じでした。
가격은 전부 똑같았어요~
硬貨でも、カードでもありません。
동전도 아니고, 카드도 아니고요~
値札には、こう書いてありました。
가격표에는 이렇게 적혀 있었대요~
「今日の悩みをひとつ入れてください。
“오늘의 걱정 하나를 넣어 주세요.
」
”
少し怪しいですよね?
좀 수상하죠~?
悩みを入れたら幸せが出てくるなんて、便利すぎるし……
걱정을 넣으면 행복이 나온다니, 너무 편리해 보이지만…
ちょっと怖くもあります。
또 뭔가 살짝 무섭기도 하잖아요~
でも、その自販機を最初に見つけたのは、
그런데 이 자판기를 처음 발견한 사람은,
ごく普通の高校生でした。
아주아주 평범한 고등학생이었어요~
名前は、ハル。
이름은 하루였어요~
ハルは、特別不幸な人ではありませんでした。
하루는 특별히 불행한 사람은 아니었어요~
友達もいて、家もあって、学校にも通っていて、
친구도 있었고, 집도 있었고, 학교도 다녔고,
ご飯だってちゃんと食べていました。
밥도 잘 먹었어요~
それなのに、ハルは毎晩こう思っていました。
그런데 이상하게도 하루는 매일 밤 생각했어요~
「今日も、なんとなく終わったな。
“오늘도 그냥 지나갔네.
」
”
「明日も、きっとそんなに変わらない。
“내일도 별로 다르지 않겠지.
」
”
「笑ったけど、本当に笑えていたのかな。
“웃긴 했는데, 진짜로 웃은 걸까?
」
”
そんなことを。
그런 생각들이요~
大きな悲しみではありません。
엄청 큰 슬픔은 아니었어요~
ただ、小さな疲れがほこりみたいに積もって、
근데 작은 피로가 먼지처럼 쌓이고,
心の隅に静かに座り込んでいる。
그 먼지가 마음 구석에 조용히 앉아 있는,
そんな感じでした。
그런 느낌이었대요~
ある日、ハルは塾の帰り道を歩いていました。
어느 날 하루는 학원에서 늦게 끝나고 집에 가는 길이었어요~
雨が降っていて、傘はあったけれど、
비가 내리고 있었고, 우산은 있었지만,
風のせいで肩が少し濡れていました。
바람 때문에 어깨가 조금 젖었어요~
靴の中も、少し湿っていました。
신발 안쪽도 살짝 축축해졌고요~
スマホの充電は3%。
핸드폰 배터리는 3%였고,
イヤホンの片方は壊れていて、
이어폰 한쪽은 고장 났고,
家に帰れば宿題も残っています。
집에 가면 숙제가 남아 있었어요~
そのとき。
그런데
路地を曲がった先に、見たことのない光がありました。
골목을 돌자, 본 적 없는 빛이 있었어요~
レモン色の自販機。
레몬색 자판기.
周りの店は全部閉まっているのに、
주변 가게들은 다 문을 닫았는데,
その自販機だけが静かに灯っていました。
그 자판기만 조용히 켜져 있었어요~
まるで、
마치
「待ってたよ」
“기다렸어요~”
そう言っているみたいに。
하고 말하는 것처럼요~
ハルは最初、通り過ぎようとしました。
하루는 처음엔 지나치려고 했어요~
変な自販機ですから。
이상한 자판기였으니까요~
でも、自販機の上の画面に文字が浮かびました。
근데 자판기 위쪽 화면에 글자가 떠올랐어요~
「今日もお疲れさま。
“오늘도 수고했어요.
ひとつ、選んでいく?
하나 뽑아 갈래요?
」
”
ハルは立ち止まりました。
하루는 멈췄어요~
その言葉が、不思議と胸に残ったのです。
그 말이 이상하게 마음에 걸렸대요~
誰かに「お疲れさま」と言われることは珍しくないのに、
누가 “수고했어요”라고 말해주는 건 흔한데,
その日のハルには、なぜかとても優しく聞こえました。
그날 하루에게는 그 말이 이상하게 부드럽게 들렸어요~
自販機には、硬貨投入口の代わりに
자판기에는 동전 투입구 대신
小さなポストのような投入口がありました。
작은 우체통 같은 입구가 있었어요~
横には鉛筆一本と、小さな紙。
그리고 옆에는 연필 한 자루와 작은 종이가 놓여 있었어요~
紙にはこう書かれていました。
종이에는 이렇게 적혀 있었죠~
「今日の悩みを書いて入れてください。
“오늘의 걱정을 적어 넣어 주세요.
」
”
ハルは、しばらく紙を見つめていました。
하루는 한참 종이를 내려다봤어요~
悩みが多すぎると、
적을 게 너무 많으면
逆に何も書けなくなることってありますよね。
오히려 아무것도 못 적게 되잖아요~
テスト。
시험,
宿題。
숙제,
友達との関係。
친구 관계,
将来。
미래,
母親の期待。
엄마의 기대,
そして、理由もなく時々やってくる息苦しさ。
그리고 이유 없이 가끔 찾아오는 답답함까지요~
結局、ハルは短く書きました。
결국 하루는 아주 짧게 적었어요.
「明日が来るのが怖い。
“내일이 오는 게 무서워.
」
”
小さく折りたたみ、投入口に入れました。
작은 종이를 접어 자판기 안에 넣었어요~
コトン。
툭.
紙が落ちる音が、妙に大きく響きました。
종이가 떨어지는 소리가, 이상할 정도로 크게 들렸어요~
画面に文字が浮かびます。
자판기 화면에 글자가 떠올랐어요~
「お疲れさま。
“수고했어요~
ひとつ選んでね。
하나 뽑아 갈래요?
」
”
7つのボタンが、ゆっくり光りました。
일곱 개 버튼이 천천히 빛났어요~
ハルは迷って、
하루는 망설이다가
7番を押しました。
7번 버튼을 눌렀어요~
まだ名前のない幸せ
아직 이름 없는 행복
カチッ。
찰칵.
取り出し口から出てきたのは――
작은 배출구에서 나온 건…
何もありませんでした。
의외로 아무것도 아니었어요~
空っぽでした。
비어 있었어요~
「……え?
“……뭐야?
」
”
ハルは少し拍子抜けしました。
하루는 조금 허탈해졌어요~
期待しすぎたかな。
괜히 기대했나 싶었어요~
そう思った、そのとき。
그때였어요~
後ろから声がしました。
뒤에서 누군가 말했어요~
「傘、傾いてますよ。
“우산, 기울었어요.
」
”
振り向くと、見知らぬ女性が立っていました。
하루가 돌아보자, 처음 보는 여자가 서 있었어요~
ごく普通の会社員に見えました。
아주 평범한 회사원처럼 보였어요~
女性は、ハルの傘をそっと直しました。
여자는 하루의 우산을 살짝 바로잡아 줬어요~
雨が肩に流れていたのです。
빗물이 어깨로 새고 있었거든요~
「風邪ひきますよ。
“감기 걸려요.
」
”
それだけ言って、女性は歩いていきました。
그 말만 남기고 여자는 걸어갔어요~
本当に、それだけ。
정말 그것뿐이었어요~
連絡先も知らない。
연락처도 없고,
名前も知らない。
이름도 모르고,
もう二度と会わないかもしれない。
다시 만날 일도 없을 거예요~
でも、不思議でした。
하지만 이상하게~
その瞬間、ハルは深く息を吸えました。
그 순간 하루는 숨을 깊게 들이마실 수 있었어요~
喉につかえていた何かが、
아까까지 목에 걸려 있던 무언가가
少し下に降りていった気がしました。
조금 아래로 내려간 느낌이었어요~
ああ。
아—
そうか。
하고요~
ハルは、そのとき気づきました。
하루는 그제야 알았어요~
幸せって、
행복은 꼭
大きな出来事だけじゃない。
대단한 사건이 아니었어요~
合格。
합격,
成功。
성공,
恋愛。
사랑,
奇跡。
기적
そんな大きなものだけじゃなくて。
같은 커다란 것만이 아니라~
誰かが傘を直してくれる3秒。
누군가 우산을 바로잡아 주는 3초,
好きな曲が偶然流れる10秒。
좋아하던 노래가 우연히 들리는 10초,
優しい言葉が残す1分。
따뜻한 말 한마디가 남기는 1분.
そういう隙間に、
그 사이사이에
名前もついていない幸せが
이름 붙이지 못한 행복들이
静かに隠れていたのです。
조용히 숨어 있었어요~
だから7番の名前は、
그래서 7번 버튼의 이름이
「まだ名前のない幸せ」
“아직 이름 없는 행복”
だったのです。
이었던 거예요~
ハルは笑いました。
하루는 웃었어요~
その日初めて、
오늘 처음으로,
本当に笑いました。
진짜로요~
そして、家に帰って眠る前。
그리고 집에 돌아가 잠들기 전~
ふと思いました。
문득 생각했어요~
「明日も怖いかもしれない。
“내일도 무서울 수 있어.
」
”
「でも――」
“그래도…”
ハルは布団を引き寄せました。
하루는 천천히 이불을 끌어당겼어요~
「明日にも、ひとつくらいは、名前のない幸せがあるかもしれない。
“내일에도 하나쯤은, 이름 없는 행복이 있겠지.
」
”